音楽喫茶「美写楽」へようこそ。

 

ゆっくりして行って下さい。ついでに主人のおしゃべりにも付き合ってもらえたら嬉しいです。

 

 

「この曲はジュリアード弦楽四重奏団が録音したCDでした。1980年の方です。貼り付けた動画は1959年の方。著作権があってやたらCD音源を使えないので仕方ない。で、当時関東方面に出かけると必ず秋葉原の石丸電気本店に行って輸入盤のCDを漁っていたのですが、その中の一枚がそれでした。」

 

「出だしが全てという位衝撃的でしたね。攻撃的というかなんというか。その印象のまま曲全体が流れていきます。何となく夜が合うような感じがして寝る前とかよく聴いてましたね。随分長い間。」

 

「ところでドビュッシーは印象派と呼ばれますが、印象派ってなんでしょうかね。ドビュッシー自身は印象派の音楽を書こうなんて思ってなかったはずですよね。ベートーヴェンが古典派の音楽を作ろうと思った訳ではないのと同じように。多分に今までの音楽とは違う手法で書かれたものという感じでしょうか。ドビュッシーの出世作”牧神の午後への前奏曲”が印象派のレッテルを貼られる原因なんでしょうが、ベートーヴェンの”田園交響曲”とは聴いた印象派大きく違いますが、その根本は同じようなものじゃないかなと勝手に思ってますよ。」

 

「ちょっと過激な話ですが、こういう音楽を聴いているとクラシック音楽はもう限界まで来てしまったように感じませんか。この先にある音楽ってどんなものなのでしょうか。もちろんドビュッシー以後にも多くの作曲家たちがいて沢山の名曲を生み出しているのは承知です。うまく表現できないのがもどかしいですが。」

 

「逆に何か根源的なものを感じさせてくれるのも確かです。ドビュッシーにはまだまだ聴いたことの無い曲が沢山あります。これからその曲たちを聴くかって?”牧神の午後への前奏曲””海™そしてこの弦楽四重奏曲で十分ですかね。今はちょっとプーランクが気になっているとこです。」

 

また、いらして下さい。