音楽喫茶「美写楽」へようこそ。

 

ゆっくりして行って下さい。ついでに主人のおしゃべりにも付き合ってもらえたら嬉しいです。

 

「ベートーヴェンの音楽を一言で表すと?難しい質問ですね。まあ、ベートーヴェンと言えば”苦悩から歓喜へ”ですが、案外そんな所かも知れませんね。音楽に人生の、もっと言えば生きることの苦しさ、切なさと喜びを持ち込んだような人ですから。最後の方はそんなことを超越してしまったところもありますよね」

 

「ベートーヴェンの交響曲で何が一番好きか?これははっきりしていまして、3番の”英雄”です。これでハイドンが形を作った交響曲という型を一気に破ってしまった訳で、その雄大で壮麗さに惹かれてます」

 

「田園交響曲ですか?英雄交響曲でベートーヴェン独自の世界を切り拓いた訳ですが、9番まで形を変えてもその延長だと思います。合唱を加えた第9もそうです。ただ、6番の田園交響曲だけは全く路線が違います。聴けば誰でもわかります。後に続くロマン派の音楽家達には田園交響曲の影響が一番大きかったのでは無いかと勝手に思ってます」

 

「そういう意味ではベートーヴェンの交響曲群の中でも傑出した傑作だと確信しています。もちろん曲も素晴らしい」

  1. 「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
  2. 「小川のほとりの情景」
  3. 「田舎の人々の楽しい集い」
  4. 「雷雨、嵐」
  5. 「牧歌 嵐の後の喜ばしい感謝の気持ち
「各楽章に付けられた表題ですが、本当にその通りの音楽が聴こえてきます」
 
「カラヤンの田園を”スポーツカーで田園を突っ走るような演奏だ”との批判をよく耳にしましたが、カラヤンとベルリン・フィルのこの上もなく美しい響きを聴いて何をかいわんやですよ。田舎だから飾り気の無い演奏がいいなんて戯言ですね」
 

 

また、いらして下さい。