ベートーヴェンまでの有名な作曲家は多作だ。バッハは1000曲以上、今回紹介するモーツァルトは600曲以上の曲があるので、よっぽどのクラシックファンでも全部知ってるという人は殆ど居ないのでは無いでしょうか。

 

私も一部の曲しか知りませんが、その中から3曲紹介します。

 

まず、モーツァルトその人ですが、正に神がかった人だったようです。一番驚いたのは頭に浮かんだ曲をそのまま譜面にしてもまるで清書したかのように、手直しは一箇所もなかったそうです。ベートーヴェンのあの推敲を重ねた跡がはっきり分かる書き殴ったような譜面とは大違いです。神がモーツァルトという人間を通して作曲したと言われる所以です。

 

最初はK.136のディエルトメントです。Kというのはモーツァルトの作品番号を示す符号で、ケッヘルと読みます。

第一楽章が始まった途端の、澄み渡った青空に向かって突き抜けるようなヴァイオリンの瑞々しい響きがたまりません。第一楽章だけでも聴いてみて下さい。

 

 

モーツァルトは長調で悲しい曲が書けたという人なので、短調で曲を書いた時は深い穴を覗き込むような不気味ささえ感じます。

代表的な短調の曲として、「ピアノ協奏曲第20番」を。曲の出だしからピアノが出るくらいまでは聴いてみて下さい。ついでに言えば第二楽章は多分多くの人が「

聴いたことがある」というメロディで始まります。

 

 

最後はモーツァルトの絶筆、「レクイエム」から「ラクリモサ」をお聴きください。この曲は残念ながらモーツァルト自身では完成させられませんでした。この「ラクリモサ」の8小節までは自身で完成しています。残りの部分は弟子が補完作曲したもので、やはり弟子の手になる部分は質がガクッと落ちてしまうのが残念です。しかし「ラクリモサ」だけは9小節以降もモーツァルトが乗り移ったような出来栄えです。名曲です。

 

 

次回に続く。