絵画を構成するものは幼児のものでも小学生でも大人でも共通しています。
線、色、明暗などはわかりやすく、子供から大人の絵までの共通テーマです。
小学生も中、高学年になると少しずつ立体の感覚が育ってきます。
今、東京で開催中のマウリッツハイス美術館展の目玉のひとつ、フェルメールの絵はカメラオブスキュラという道具を使って描かれたのではと言われていることで有名ですが、
西洋絵画のなかで遠近感の表現は欠かすことのできないテーマです。
風景の奥行きを、近景、中景、遠景ということばで整理して観察する方法は、小学校高学年ならば理解できるようになります。
この工作は小学校六年生のKくんが制作しました。
ガラス絵の手法を使い、三段階に分けて風景を描いています。
3Dのように立体感が見る人に迫ってくるのがわかります。
ボックスも全て段ボールから寸法を図って切り出して作りました。
アートの場面では意外と定規を使ったり、作図したり展開図を描いたりと算数の要素が多くはいってくることが少なくないのですが
そのような算数的な要素と立体感、そして絵画といろいろな種類の頭を同時平行に駆使して制作をすすめていく工作をすると、作り手の能力が顕著に表れます。
この工作の作者K君は制作にかかる当初から遠近感の表現に気づき、それを表すことに苦労していましたが
遠近法を用いた描画法のアドバイスを受けるとすぐにそれを理解して描きあげました。
土手のブロックに苔が生えているところもとてもよく観察していますね。
透明なブラスチック板に描いているので窓辺から光を透かせて見ると大変美しく、波が動いているように見えます。