時刻表に見るスイスの鉄道 | 新書野郎

時刻表に見るスイスの鉄道

時刻表に見るスイスの鉄道―こんなに違う日本とスイス (交通新聞社新書)時刻表に見るスイスの鉄道―こんなに違う日本とスイス (交通新聞社新書)
大内 雅博

交通新聞社 2009-06
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これは他に類書はないだろう。よく外人は日本の分刻みに狂いが無く来る列車に驚くとは言うけど、時刻表システムの活用では、スイスの鉄道の方が上を行くらしい。地形的には日本同様、厳しいものもあるのだが、九州ほどの面積だと航空機と競合することもなく鉄道網の敷設が可能ではあろう。バスとも競合ではなく共存が基本で、輸送網の一元化が図られているとのこと。トラックをそのまま列車で輸送するのは効率的にも環境的にもまた運転手の労働条件的にも利点があるのだろう。問題はスイスの物価ということなのだが、スイスに乗車券自体は日本より高いが、特急券などの分類がないため、日本の乗車券+特急券と営業キロ的にほぼ同水準の値段らしい。もっとも、スイスには全線で有効な年間パスや年間半額パスが存在する為、実質的には日本より大分安いとのこと。自国民にはジャパン・レイルパスは発売せず、鈍行しか乗れない青春18切符で苦行を強いるのは国有鉄道を勝手に私企業にしてしまったツケでもあるのだが、スイス国鉄もパスの売り上げだけでは赤字であるそうで、鉄道輸送に誘導する国策で成り立っているらしい。九州ほどの面積で約5000キロの鉄道網というのも尋常ではないが、人口700万で、チューリッヒの人口40万程度、後は10万台が幾つかという国だと、単に営業利益だけで輸送を司る訳にはいかないか。とにかく空と海と鉄と道が競争しあって、土建屋だけが潤う政治はなんとかせんといかんな。
★★