知らないではすまない中国の大問題
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サーチナが最初に出した本は中国人らしい高みにたった日本人への説教だったけど、ソフトバンク傘下になってから、本体でも前には全くなかった親日擦り寄り記事とか、中国の恥部などが記事として載る様になり、この新書もそれを反映したものとなっている。最初の本はソフトバンクが出したのだが、傘下になってからなぜか旧敵だったアスキーからか。サーチナに中共宣伝部の影響が今どれだけ残っているのか分からないし、見方によってはより巧妙な宣伝手法になったとも言えるのだが、本国で報道が多様化しつつある状況の上に、2004年、2005年を契機に中国の反日の実態というものが日本でも明らかになってしまったから、いつまでも中国人を君子扱いにして日本人に反省を求める訳にもいかなくなってしまったところはあるだろう。キーワードとして中国人の被害者意識というものを挙げているのだが、この辺は最近の中共の見解と一致している。もはや直接日本を批判する言説は逆効果であり、中国の事情を理解してもらうという作戦に転換した様だ。表向きは原則重視でも、工作はプラグマティックにというのは中国一流のものであろう。一見、日本人の側に立って中国の現状を批判的に捉えている様にも思えるが、よく読むと、尖閣などの領土問題の所在や、台湾問題、チベット、ウイグルなどの少数民族問題、そして憲章08などの政治的な人権問題には詳しく立ち入らないことが分かる。つまり核心的な「知らないですまない中国の大問題」を毒ギョーザやグーグル、粉ミルク、上海万博パクリ問題といった、言わば中国政府が認めた「公認」の大問題に摩り替えてしまうというのがサーチナのやり方。パクリ問題や反日デモでインターネットの力を力説しているが、その俎上に載らないものが本来の大問題と言えるだろう。
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