トクヴィル 現代へのまなざし | 新書野郎

トクヴィル 現代へのまなざし

トクヴィル 現代へのまなざし (岩波新書)トクヴィル 現代へのまなざし (岩波新書)
富永 茂樹

岩波書店 2010-09-18
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トクヴィルが亡くなったのは1859年なので、現代に対するまなざしがあった訳でもないのだが、現在の一極世界であるアメリカ、現代共和制の嚆矢となったフランス革命に関する文献の古典であり、テキストでもある著書を著したことで、現代に影響力が及んでいることはたしかだろう。思想の進歩性は再び欧州がアメリカを追い抜いた観もあるのだが、日本から見ると、とかく「欧米」と一くくりにしてしまう中で、欧州と米国間、仏語世界と英語世界間の一方に対するまなざしというものも考えなくてはならない。それは幾分に他者に対するものも、近親者に対するものも孕んでいるのだろう。となると日本人がトクヴィルを読む時に立ち居地をどこに置くかということも問われてくると思うが、もはや戦前の旧制高校生みたいに、トクヴィルと同じ欧州目線に立ったアメリカの読み方というのは適わないのかもしれない。トクヴィルが関心を持っていたのはインドまでだそうだが、日本が輸入したデモクラシーと現在機能しているデモクラシーとは別ものなのだろうか。
★★