ニューヨーカーはどこまで強欲か | 新書野郎

ニューヨーカーはどこまで強欲か

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9.11でWTCが狙われたのも、それがアメリカの強欲の象徴だったからという訳でもないんだろうが、ニューヨーカーが強欲だというのは、海外だけではなく,国内的にもコンセンサスを得ているものである事は確かだろう。著者はフジサンケイの現法にいた人で「フジサンケイビジネスアイ」にNYコラムを連載していたそうなのだが、今回は岩波の「貧困大国アメリカ」路線。祥伝社新書も「欲張りで懲りないアメリカ人」なるものを立てて来たが、岩波が国に責任を帰しているのに対し、右系の祥伝社と扶桑社が人間の資質の問題としているのは興味深い。最近の「派遣村」騒動でも、朝日と産経ではそれと同じ構図が見られた。実際、アメリカ人は「個人主義」の信奉者が多いんだろうから、社会主義国家や疑似社会主義国家の日本の様に、全てが国の政策の責任であるとする向きはそれほど強くはないのではなかろうか。ジャンクフードが大好きで、買い物も洗濯も週に一度であっても、それが個人の選択においてなされている限り、他人のライフスタイルに構わんでおいてくれるといった感じであろう。そうした欠点は自虐ネタとして、しばし使われるところをみれば、事態を深刻に捉えるというより、それを楽しんでいる風情もあるのではないかという気もする。マイケル・ムーアの映画を深刻に捉えるのはもっぱら海外の観客であって、ムーアがアカデミー賞を受賞した時のスピーチなどは、完全にパロディーであろう。そんなこともつゆ知らずにムーアを英雄として祭り上げる国がここにまた一つ。