大学の歴史
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中公新書の「大学の誕生」は日本の帝大の歴史だけで上下巻計800頁超もあったのに、文庫クセジュは相変わらず簡潔で良いな。日本の帝大については1頁ちょっとの記述。当然ながら、フランスの大学が中心だが、ヨーロッパは満遍なくカバーしていて、アメリカの大学についてはスカンジナビアの大学と同程度の分量。既に18世紀に「どうして何の成果も得られないのに、若者は学校の授業を受ける事を強制されるのか」という議論があったらしいが、不正、欠席、中退は大学の初期から形骸化されていた様だ。にも拘らず、何百年も同じことを繰り返しているというのは人間の智恵も意識も大して進歩がないということになるが、授業で得た知識ではなく、その学位が成果として認められる社会もそろそろ限界に近づいて来た観もある。学歴社会を否定するのは簡単だが、それ以外に個人を測る有効なモノサシが見出せない以上、誰しもが疑問を持ちながら、大学へと進学することとなるのだろう。フランスの一部グランゼコールやイギリスのオックスブリッジといった例外を除けば、ヨーロッパに歴然とした大学間格差はないと言われるのだが、日本の大学の序列化は、やはり私大の乱立にあるのだろうか。
★★
