ヒマラヤ世界
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共同通信の探検班だった人が、ネパール、インド、バングラを旅して、環境問題を考えるという趣旨のもの。元々、山屋なので、ネパールが中心となり、トレッキングも高地に及んでいるのだが、1935年生まれ。話自体はもっと前のことなのだろうか。過去にはアタカマ高地、奥アマゾン探検隊の隊長も務めたとのことで、それぞれ中公新書で、その報告書も出している様だが、日本の自然に関しても著書が幾つかあり、ヒマラヤから、日本へ突然、舞台を移したりもして、ややこしい。自然破壊というキーワードで世界が繋がっているといえば、それまでなのだが、ネパールの環境破壊の原因が、観光客の増加によるものだとしたら、その責任は「先進国」にあるのか、それともネパール政府にあるのかというのは難題である。オーストリアの援助で電化された村なども紹介されるが、その成功の要因はオーストリア人が直接関与し、プロジェクトを遂行し、ネパールの政府役人にカネを渡さなかったことだと現地の人は認識している様だ。日本の「要請主義」ODAが時として、現地役人の利権となっていることは暗躍するコンサル屋ブローカーとともに考え直す必要があろう。世界に冠たる「環境技術」もそうした黒い手を経てしまえば、現地の人びと、そして納税者たる我々にとっては、「公害」になり得るものなのである。
★★
