ミリタリー・ワイフの生活 | 新書野郎

ミリタリー・ワイフの生活

ミリタリー・ワイフの生活 (中公新書ラクレ)ミリタリー・ワイフの生活 (中公新書ラクレ)
ジョンソン桜井 もよ

中央公論新社 2009-02
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タイトル通り在米軍妻の話だが、著者は「戦争花嫁」とか「基地花嫁」ではなく、留学中に軍奨学生だった夫君と知り合ったとのこと。戦後教育の世代の人の様で、軍人と結婚するのは抵抗があったそうだが、9.11直前に退役し、イラクに行くこともなかったそうだ。それで、あまり知られていないミリタリー・ワイフの生活が余すことなく記されているかといえば、全く肩透かしであって、せいぜい官舎がシロアリにやられたとかそんなもの。中身の多くは著者の「アメリカン・ライフ」であって、娘の誕生会がどうのとか、出産経験とか、ガレージセールがどうのといった身辺雑事。軍人の妻たる心構えなんて話が出る訳でもなく、せいぜい、ユーゴ内戦に派遣された同僚の妻が家に爆弾が仕掛けられているということで、ダンナが行ってみたら、それは同僚が妻の為に残していったバイブが机の中で急に動き出したといった柏原芳恵話程度。あとは著者が自分の銀行口座を持とうとしたらダンナが烈火の如く怒ったとかいう話がちょっと興味深い。給料袋をそのまま妻に渡すというのは時代が変わって消えつつあるが、依然として妻が家計を管理するのが日本の主流であろう。その多くがへそくりをしている訳だが、こんなのはアメリカにおいては夫への裏切りになるのかな。この辺は家庭では日本の女性は実権を握っているという、女性差別の反証みたいに言われることなのだが、アメリカでも軍人は妻に対して疑い深い人間が多いのだろうか。