東アジアの文芸共和国
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この新規参入組も新典社新書つうのも、ターゲットをオーバー70の文芸族に絞っている感じだ。いずれも幻冬舎以上に大文字でスカスカなのだが、老人が1日で読める量か。とはいえ、老人のたまり場である図書館にはあまり置いていないし、街の本屋に置いてある可能性も低い。なんと電子書籍対応なのだそうだが、読者想定は別だったのだろうか。ということで、朝鮮通信史ものなのだが、岩波みたいに「日韓交流の源流」とか持ち上げている訳でもなく、結構、現代目線で書いているので面白い。当時は漢文で筆談という形なのだが、それでジョークを書きあうなんて高度なことが出来たのか。日本側が中国って偉そうにしてるけど、オランダの方が一夫一妻制度で文明も進んでいるみたいだよとか言ったら、韓国がやんわりと大人の態度でたしなめたとのこと。小中華主義で、日本より道徳的優位に立つと考えていた(それは今でも全く同じ状況なのだが)韓国は、「東アジア」の価値観を根底から否定する様な日本側の発言にかなり動揺したんではないかな。というのも、この時期の朝鮮通信史は韓国で「史実」として信じられている様な進んだ文化(大陸経由)を日本に教える為に派遣されたものではない。韓国の言う通りの事情なら、日本が中国に出したみたいに、韓国に留学生を派遣すれば済む話。中国も日本も知った北学派の人は、素直に自国の後進性を認めたりしているのだが、その実態が国民に伝わることもなく、20世紀を迎えてしまう。
★★
