民主党のアメリカ 共和党のアメリカ  | 新書野郎

民主党のアメリカ 共和党のアメリカ 

民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ)民主党のアメリカ 共和党のアメリカ (日経プレミアシリーズ)
冷泉 彰彦

日本経済新聞出版社 2008-08
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ということで、無事にオバマ政権は門出した訳だが、これは結構早い時期にフライングした新書か。この著者は村上龍のメルマか何かに投稿して見出されたといったことを9.11後に出した本に書いてあったのを記憶しているのが、まだ龍のところで連載しているらしい。当時の記憶ではお決まりのユニラテラリズム批判で、リベラルというより、反米反日サヨク系かとも思ったのだが、時が過ぎて落ち着いたのか、今回は一転して共和党に好意的な見方も示している。その分、民主党に懸念する言説が多いということなのだが、オバマ大統領が決まった以上、あえて苦言を呈すといった意味合いもあるのだろう。特に対日関係において、民主党が「原爆投下政権」であったことに拘りがある様で、今でも日本を敗戦国とし扱っているとしている。中国との関係においても、共和党の様に無条件で日本を選択する理由はない訳で、歴史的経緯をみれば、むしろ中国に対して融和的であることは間違いないだろう。民主党が中国と軋轢を生ずるとしたら、そのリベラル体質の面であるのだが、この辺は中国の人権に対して沈黙する日本の左派勢力とは異なるところとも言っている。マイケル・ムーアはその出自からして反日的であるとまで言っているのだが、映画の中に挿入されている日本軍の描写が気に入らなかったのかもしれない。スポーツ選手や芸能人の政治的発言なども取り上げていて、アメリカにおいて、宗教と政治の話がタブーなのは、相手が何者か推し量れない場合や、そうしたものに立脚した発言によって、場が緊張する場面においてという限定的なものだと感じた。「カミングアウト」後はむしろ積極的な発言が求められるものなのであろう。日本でも宗教団体や政党がバックについた芸能人やスポーツ選手が数多く存在するのだが、公共の場面で本人がその立場をアピールすることはあまりない。むしろ宗教や政党は本人が選挙にでも出ない限りタブーの領域に属すだろう。アメリカで「無党派」であるという意味は、日本の無党派層とは似て異なるものだと感じた。
★★