中国「秘密結社」が共産党政権を倒す日 | 新書野郎

中国「秘密結社」が共産党政権を倒す日

中国「秘密結社」が共産党政権を倒す日 (講談社プラスアルファ新書)中国「秘密結社」が共産党政権を倒す日 (講談社プラスアルファ新書)
茅沢 勤

講談社 2008-08-22
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この著者は82年に語言に留学して、全国紙の記者をしてたとのことだが、どこの社だったんだろう。ジョージタウンとハーバードにも留学経験があるそうだが、これまで新書と訳書が一冊づつか。実は両方とも読んでいるのだが、さしたる印象はない。これも「チベット騒乱」で廻ってきた仕事の様な感じ。チベットとウィグルは中国の「秘密結社」とは性格が異なるので、とりあえず押さえておいたといったところか。チベット青年会を首謀者とし、東トルキスタン独立運動とアルカイダを結びつけるなど、中国政府の基本路線に沿った形は気になるが、農民暴動や新興宗教、黒社会の裏にある漢人「秘密結社」の存在について日本では、あまり知られていないので参考にはなる。もっとも、中国語世界では、「実話系」を中心に盛んに報道がされているし、当事者がやっている「大紀元」なんてのもあるから、特に著者が取材して裏をとったものという訳ではないだろう。こうしてみると、中国政府が恐れているのはチベット、ウィグルの様な「外敵」ではなく、身内の誰が「敵」なのか分からない「内敵」だということが見えてくる。ウルムチの警察襲撃事件も内部犯行説が出ているが、ギョーザも内部の犯人が絞られたなんて話が伝わってきた。香港映画の「無間道」ではないが、中国の革命も内部の「裏切り者」によって政権を崩壊させるのがパターンとなっている。となると、「秘密結社」は「民主」や「外敵」といった外部ツールより共産党政権を倒せる可能性が高い。フリチベとか台独とか、「中国脅威論」をやっている人たちが、真剣に共産党を倒す気があるなら、かつて日本の国士たちが孫文を援助した「歴史を鑑とする」べきではないのかな。
★★