ストレスのない子育てとシンプルライフ  | 新書野郎

ストレスのない子育てとシンプルライフ 

ストレスのない子育てとシンプルライフ-インドから学ぶゆとりのある暮らし- (創成社新書)ストレスのない子育てとシンプルライフ-インドから学ぶゆとりのある暮らし- (創成社新書)
金田 卓也 ・ サラソティー

創成社 2008-06-10
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「インドから学ぶゆとりのある暮らし」と副題にある。金田さんは児童学科の教授で、サラソティーさんは夫人でネパール人。ネパール人がなぜインドについて語れるかについては、説明があって、ヒンドゥー教徒であること、ルンビニ国境の街の出身であること、ネパール語はインドの公用語のひとつであるといったことを理由として挙げている。ここでは「国家」としての「インド」ではなく、大きな意味での「インド世界」だともしているのだが、この辺は日本で生きるサラソティーさんも納得した上でのことなのだろう。ということで、最近フィンランドと並んで、持ち上げられている感があるインド教育ものなのだが、ここではインド式ガリ勉ではなく、インド式ゆとりの方を礼賛している。クリシュナムルティという人がいて、その人が創設したリシヴァリー・スクールというところで、金田さんが訪問教員していたとのことで、それがインドを代表する世界ということにしている。なので、インドにはイジメもないし、家族を大切にし、夫婦は仲が良いと誠に結構な話になるのだが、だからといって、日本の子どもたちより、インドの子どもたちの方が幸せだとするのはどうかと思う。まあ一方の「インド世界」ではダンナが死んだり、持参金が少ないと嫁が焼かれたり、カーストの違う女の子にラブレターを出した少年が殺されたりとかといった「世界」がある訳なのだが、「自由学園」とか「ヤマギシ」をインド人が見学したら、ああ日本の家族は素晴らしいとか思う様なもんなのだろうか。なんでも信者が多いシュタイナー教育もこのクリシュナムルティの亜流だそうで、ストレスの特効薬は、やはり「宗教」しかないのかと思うと暗澹たる気分にさせられた。ただ、面白かったのは、その学校に通っていた娘さんの手記には面白い記述があって、「過去の過ちを教訓とし、未来に役立てるため」というのが歴史を学ぶ理由だと思ったいたのだが、「人間は過ちを克服しているのだろうか」という疑問が芽生え、「現在を理解するため」という結論が出たそうだ。娘さんは日本で、日教組=中共の教えに従った教師に教えられた「歴史」に対し、インドに来て「歴史」の本質を学んだのだろう。それが「核実験」に関する見方だとしても、少なくともその点においては人間的成長をしたのだと思う。