中国ビジネスとんでも事件簿
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この著者は前にも似たような本を出していたのだが、中国批判書かと思いきや、其の実、日本人に責任転嫁というスタンスは変わらない。まあ生き馬の目を抜く様な中国ビジネスの世界では、騙される方が悪いというのが中国の常識ではあるのだが、騙された事にしておいた方が都合が良いという日本の事情もある。上海で「駆け込み寺」を主宰する著者が、こういう本を出すのもビジネスの上でのことであり、その辺はかなり宣伝臭は濃い。日本人同士の保険金殺人事件を最初にとりあげているのも「愛国的」な事由なのだろうが、こんな事件、全く聞いたことがなかった。フィリピンとかのヤツは大きく報道されるのに、上海で起こった事件が全く記憶にないというのはどういうことだろう。国交回復後初の日本人が日本人を殺した殺人事件とのことだが、その昔、北京の友誼賓館で、青年協力隊かなんかが、殺してしまったガイシャは中国人だったけ。あと、中国のビジネス習慣は欧米型で、契約書を重視するが、日本はそうではないからトラブルが起こるという指摘があるが、この辺は現場の感覚とは違う。とんでもない大企業とかは知らんが、書類はアリバイ的なものに過ぎず、末端は電話一本の口約束というのが結構多かった。もちろん、そこには一族とか、積年の付き合い、その紹介といった「関係担保」がある訳だが、欧米みたいに「契約書」なんて野暮なことは言わないのが中華世界。そんなことを書いてしまうと、著者の「ビジネス」の損失になるんだろうが、ある程度、取引があってイキナリ騙されたのであれば、それは「日本人」だから最初から狙っていたと思ってもいいかもしれない。
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