へそ曲がりの大英帝国 | 新書野郎

へそ曲がりの大英帝国

へそ曲がりの大英帝国 (平凡社新書 430)へそ曲がりの大英帝国 (平凡社新書 430)
新井 潤美

平凡社 2008-07-15
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この帰国子女の著者は前に出た新書もそうだったのだが、簡単に説明している様で、分かりにくい。英語が第一言語なのかもしれないが、感覚的なことを日本語で説明する限界な様なものを感じた。イギリス人のシニズムは日本人のソレよりも、大英帝国のおかげで普遍的なところがあるのだろうが、「サウンド・オブ・ミュージック」という普遍の映画に対して、へそ曲がりな解釈をするイギリス人は変な人たちということを説明している。それもこれも「階級」というものが影響しているのは間違いないのだろうが、階級というものは己と他者を差異化するシステムであるから、「へそ曲がり」というのはその手段であるのではないかという気がする。カースト制度ではないので、階級自体をシニカルに捉えることで、上も下も階級社会を保持する意向を示しているのだろう。それは王室に対しても言えることなのだが、王室も上流社会も権威を笑い飛ばさせることにより、自分たちが「下流社会」の上に立つ理由を追求する必要もなくしている。それこそが、大英帝国の成功の秘訣なのかもしれないが、あくまでも、他者を他者のままに置いておくことは、伝統みたいなものだが、それこそがシニズムの本質なのかもしれない。
★★