紫禁城  | 新書野郎

紫禁城 

紫禁城―清朝の歴史を歩く (岩波新書 新赤版 1141)紫禁城―清朝の歴史を歩く (岩波新書 新赤版 1141)
入江 曜子

岩波書店 2008-07
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今年の北京商戦に岩波もそのものズバリの『北京』という新書を投入したのだが、今度は「紫禁城」か。この著者は岩波版『紫禁城の黄昏』の共訳者だが、中共史観に都合の悪い部分を削ったと、渡部昇一が完訳版を出すと、それに反論するかのごとく、岩波新書から『溥儀』を出した人か。『紫禁城の黄昏』の完訳版を出したコンビは最近、「米国人記者が見た戦前のシナと日本」を出したけど、まさかまた、それに対抗したという訳ではなかろう。ちなみに先に岩波版『紫禁城の黄昏』を著者と共訳したのが、先に『北京』を出した人なのだが、岩波の執念みたいなものも感じる。紫禁城の宮廷生活などには興味がないので、どうしてもその様な視点で読んでしまうのだが、、堕落した清朝が中国の没落を招いたという「公式見解」に沿ってはいる。乾隆帝漢人説など、満州族の漢化志向についてはその通りではあろう。面白かったのは同治帝は少年の頃、しばし紫禁城を抜け出し、屋台で涼粉をタダ食いしていたということ。カネを支払うなどということは少年は知らなかった訳で、屋台主もそれを察して代金を請求しなかったらしい。今の皇太子は目白のマクドナルドに「ご学友」とよく現れたらしいのだが、夜中に皇居を抜け出して、一人で吉野家の牛丼を食べたりしてもらいたいものである。
★★