コーカサス 国際関係の十字路 | 新書野郎

コーカサス 国際関係の十字路

コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A) (集英社新書 452A)コーカサス国際関係の十字路 (集英社新書 452A) (集英社新書 452A)
廣瀬 陽子

集英社 2008-07-17
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光文社新書の方は結構話題になって、一気にメジャーになったから、新書連投という訳ではなく、2004年から依頼されていたものだという。それがこの時期になって、うまく前著と重なったと思ったら、ドンピシャで南オセチア紛争が来た。どこも五輪ばっかで、あまりテレビは視ないのだが、テレビにも解説で呼ばれているのだろうか。記者が勉強するのも、この著者の本くらいしかテキストがないもんだから、ますます名が売れたことであろう。しかし、外大院の准教授に出世してたと思ったら、静岡県立大准教授にとらばーゆしていた。慶應閥かなんかであろうか。で、南オセチアなんだが、この本を読む限り、著者も予想外だったと見える。やはり、第一の問題はナゴルノ・カラバフ。アルメニア・ロビーによって、アメリカ、ヨーロッパ、資源がないため従属せざるおえないロシア、更にアゼルバイジャンへの警戒から支援するイランという、呉越同舟の支持を得ているアルメニアだが、むしろそのことが現状維持への流れを作っているのかもしれない。南オセチアに関しては、相手がロシアであるだけに、大国が小国を攻撃したイメージが伝えられるのだが、グルジアの支配下にない地域で、かつ住民がグルジアへの統合を望んでいない状態での「奪還」では、そのイメージ戦略がどこまで通用するのか。言うなれば、韓国が対馬に対して「奪還作戦」を行ったところ、交戦状態になったといったものなのだが、この地域は、実に民族だの宗教だの国境だのが入り組んでいて分かりにくい。ヤズィーディーとか、モロカン教なんて宗教は聞いたこともなかった。著者も複雑し過ぎて、うまく説明できないなどとしているのだが、それは無理もない。この地域に平和が訪れれば、著者が売れっ子になることものないんだろうが、また新書出して欲しい。
★★