テロリズム
![]() | テロリズム―歴史・類型・対策法 (文庫クセジュ 926) 私市 正年 白水社 2008-07 売り上げランキング : 354731 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
クセジュなので、啓蒙書というより、フランスにおけるテロリズムの概説書といった感じ。テロの起源がフランス革命であるというのは疑問が残るところだが、政治的目標の為に暴力を以て政権にダメージを与えるという意味ではそうなのかもしれない。「テロリズム」はフランス語起源で、ラテン語の「テロール」とは意味が違うという説明もあるが、テロリズムの「宗主国」であることがそんな自慢になるのかな。まさか、最近の自爆テロリストがリスペクトしている「カミカゼ」に対抗心を燃やしている訳ではないだろうが、この辺は、さすが「ヨーロッパの韓国」か。「アクシオン・ディレクト」というのは聞いたことがあったが、現在は活動を停止し、残っているのはコルシカ民族解放戦線だけだという。ETAの越境などもあるのが、それらや「イスラーム原理主義」よりも、「郊外暴動」の方がフランスとしては警戒しているところだろう。しかし、厳罰を以てテロリズムに対処するアングロ・サクソン国家(米英のことだろうが)に対して、フランスとイスラエルは、よりソフトな対策をとっているのだという。ホンマかいな。アラブ諸国との「特別な関係」もやたら謳ってるけど、単に米英に対抗したいだけな様な気もする。ちょっと意外だった(でもないか)のは、エコ・テロリズムを非難している点で、他のテロリズムは淡々とした説明なのに、エコ・テロはほとんど罵倒している。虹の戦史号事件が念頭にあるのだろうが、この辺は日仏同盟できんもんかな。訳者は私市正年で、引き受けてから後悔したのだという。もしかしたら、「イスラーム」関係と「エコ・テロ」は訳者のバイアスがかかったものかもしれん。もちろん下訳は院生にやらせたみたいだけど。
★★
