チベット問題 | 新書野郎

チベット問題

チベット問題 (光文社新書 357)チベット問題 (光文社新書 357)
山際素男

光文社 2008-06-17
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例の「騒乱」があって、聖火リレーの「騒動」まで発展したから、五輪までは需要が続くと思って、各社、慌てて企画したみたいだけど、どんなに急いでも、新書だと3ヶ月はかかるのか。新書はぺマに山際という極だが、「現代思想」も孫歌、丸川哲史という極で対抗しているらしい。中共の忠犬としては最強の大西広先生も参戦したみたいだが、これは愉しませてもらおう。しかし、同じ京大でも大西みたいなネタ教員ではなく、信者が多い大澤真幸が今日の夕刊で孫歌擁護(ただし、中国は擁護しないとのこと)をしていたが、どうなることやら。ということで、フリーチベット陣営の大ベテランといえば1929年生まれの山際素男なのだが、光文社新書は、まずこのお方を担ぎ出すのが筋だろう。程なく丸川の反論本も出すのかもしらんが、こちらの新書はかなり急いだ痕が窺える乱暴なつくり。もうすぐ80の坂を越える御老人にダラムサラまで飛んでくれというのも、さすがに無理があったのだろうが、メインのダライラマ謁見記と、チベタン・キャンプ紀行は何時のヤツよ。1926年生まれの人が今年66歳とか言っているから、90年代初頭なんだろうが、亡命者証言も88騒乱の頃の話か。あの当時は外人がダラムサラに行けば、逃げたてホヤホヤの「難民」が待ち構えていて、「オルグ」されたものだが、レストランで中国語でオルグされてると、香港人が入ってきて、気まずい雰囲気になったことを思い出した。ラサも殺伐としていて、中国人観光客は、ほとんど見かけない時代だから、香港人と同行していた私は、嫌な思いをしたことも多々。山際さんは、亡命政府側では、サンゲさんを専属通訳につけたVIPで、本土側には入った形跡はない様だ。その運動の趣旨には賛同しても、十数年前の記録や、日本代表部事務所の「チベット通信」をそのまま垂れ流して頁を埋めているのはいただけない。「これでひとまず筆をおくことにしよう」とか、さも「チベット」に行って、人と会ってきたばかりの様な言い草はないでしょうに。