日中「アジア・トップ」への条件
![]() | 日中「アジア・トップ」への条件 謙虚になれ中国、寛容になれ日本 (朝日新書 114) 莫邦富 朝日新聞出版 2008-05-13 売り上げランキング : 51172 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
朝日の土曜版に連載していたヤツか。掲載分の半分期くらいは朝日を講読していたはずなのに、不思議と記憶に残っていたものが少ないな。「反日の季節」時分のヤツは意図的に外してきたのだろうか。莫邦富が中国で売国奴扱いされているというのも意外だが、王敏とか朱建栄といった、大物御用学者さえもそうなのだとも言うから、日本と関わる人間は中共に忠誠を尽くしたり、歴史認識で日本を断罪するということ自体に保身的な意味があるのかもしれない。その意味では莫邦富はその系譜に当たらないのだか、どっちつかずでうまく立ち回っている成功者ということが言えるのだろう。莫邦富にとって、「日本に学ぶ」ということが意味するのは、それが彼の原点であるからというより、それこそが彼の現在の生活を支えているものということであろう。中国が全ての面で日本を追い越してしまえば、今の稼業も危うくなるというものである。元下放青年たちの多くは、外国より祖国に希望があると実感するにはトシをとりすぎてしまったのかもしれない。形こそ違えど、これも日本の団塊が見た夢と同質のものかもしれない。ただ、このタイトルだけは今の中国人の若い世代と同じ夢をみているなという気がした。中国人は日本人がアジア・トップの座を中国に奪われることを恐れおののいている信じて疑わないのだが、正直、そんなことを真剣に悩んでる日本人なんているのか。果たして本当に日本人は今の中国人の様に、「世界」や「アジア」のトップなどを目指して走り続けていたのだろうか。むしろ、そんなこと考えもしなかったから、成功したのではないかとも思える。中国がアジア・トップになって日本に対するコンプレックスを解消してくれれば、反日などというものが意味をなさなくなるのかもしれない。今のところ、その様に時代が動いている風には感じるのだが、長年に渡って国民の娯楽として親しまれた「反日」も、北京五輪が最後の舞台になるのかな。
★★
