シャネル-最強ブランドの秘密 | 新書野郎

シャネル-最強ブランドの秘密

シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書 100)シャネル 最強ブランドの秘密 (朝日新書 100)
山田 登世子

朝日新聞社 2008-03-13
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著者は「ファッション・ブランド論」という学問をやっている人らしい。前にも岩波新書のヤツを読んだ記憶があるのだが、シャネル本も何冊か出しているらしく、幾つかあるココ・シャネルの評伝の中で評判が高いヤツの翻訳もしているらしい。そう書くと、さぞかしキンキンギラギラな人かと思われるのか、最初にシャネルを自分で着ることは全くないとお断り。著者が興味があるのはココ・シャネル本人とブランドイメージとしてのシャネルであって、商品自体にはあまり関心がないようだ。ということで評伝ダイジェストみたいな新書で、モノの話はしないので、シャネラーの人たちや入門の方たちには、物足りないものではあろう。一つだけ興味深かったのは、この時代のコピー商品に関する考え方で、シャネルなどは明らかに、コピーをされてこそ一流という意識があったらしい。この考えは一昔前まで、日本の物作り産業でも主流な考え方であったのだが、さすがに中国みたいな「何でもアリ」の国が登場してくると、そうも言っておられなくなった。シャネルの時代にも、現在の中国に該当する国があって、それがアメリカ合衆国だったらしい。パリのモード産業は随分とアメリカのコピー商品に悩まされたみたいだが、シャネル本人は自分の海賊版が増殖していくことに満足していたのだという。後にシャネルが渡米して仕事をする布石がそこに敷かれていたのかもしれないが、「ジュエリー」から「アクセサリー」というものを造りだしたのもシャネルだったらしく、あらゆる装飾品はイミテーションであるというのが持論だったらしい。そうした歴史から、知財保護をめぐる現在のシャネル、アメリカ、中国の関係などを考えてみるのも面白い。