中国のエネルギー構造と課題
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九大アジア叢書も置いてあるところがなかなか見つけられないのだが、普段、立ち寄らない技術書棚に一冊埋まってた。この楊慶敏さんという人は九大で学位をとった人らしく、これもその博論が元らしい。三輪さんというのが指導教授の様で、二人の共著になってるが、三輪さんが書いたのは序章と付け足しみたいな「石油編」、コラムといったところで、中身のほとんどが、楊さんのもの。別に単著でもよさそうなものだが、そうは問屋が卸さなかったのか。で、中身は中国の石炭政策であって、九州大学石炭研究資料センター教授だった三輪さんが「石油」を加えて、「中国のエネルギー構造と課題」になった次第。中国の炭鉱と言えば、かつての圧制ヤマの本場、九州も顔負けの地獄一丁目の世界なのだが、女性の楊さんは果敢にも「個人炭鉱」の実態調査に出たらしい。国営の重点炭鉱などは、それなりに最新鋭の機械や安全対策が施されているみたいだが、これも、大手と中小、社員と下請け、孫請けといった間の格差社会が広がっていた筑豊を髣髴させる構図である。それにしても三輪さんはコラムでリースマンの日記をわざわざ取り上げるのは、どういう意図か。
「わたしと議論している日本の学者は果たして、中国で現在進行しつつある事態をどれだけはっきり把握しているのだろうか」
『日本日記』(1969)の抜粋だそうだが、後の世代の中国研究者にとっては、この時代の中国研究者に対するアンチテーゼが出発点であるケースは多そうだ。
★★
