老いはじめた中国  | 新書野郎

老いはじめた中国 

老いはじめた中国 (アスキー新書 049)老いはじめた中国 (アスキー新書 049)
藤村 幸義

アスキー 2008-02-12
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著者は元日経北京支局長だが、現在は拓大教授、中国経済学会理事、日中関係学会理事という人らしい。そんでもって、これは「サーチナ」に連載されたものを基にしたということで、立ち居地がイマイチよく分からん。サーチナには元読売支局長のバリバリ媚中派も連載していたと思うが、基本的に80年代の北京支局を無傷で過ごした人たちは、中国当局のお目がねにかなった連中ということであろう。ともあれ、こちらは拓大の人であるからにあって、北大の人みたいに、「公式見解」を代弁している訳ではないのだが、サーチナに載る程度の「公式批判」のニューズをずらっと解説した様な新書。ということで、日頃、中国ニュースをチェックしている人には、あまり目新しい話はないのだが、中国で「中国的品格」なる本がベストセラーになっているとは知らなかった。なんか「ノーと言える中国人」を彷彿させる話なのだけど、日本は経済成長が一段落して、不景気が忍び寄ってから、国粋主義的な本が売れるのに、中国は高度成長期にあるのに、こんな本が出るという論評。ていうか、国粋主義は建国以来常に同時進行な様な気がするのだが、たとえ見せ掛けだけとしても、改革開放初期の「学日本」リバイバル路線は、コキントウ来日でも強調された。朝日の土曜コラムで莫邦富も書いていたし、サーチナも足並みを揃えたところをみると、これが、日本の譲歩を引き出すに有効だと中国政府はみている様だ。その辺の役者として使われた白岩松についてもちらり。拓大的な話では、毎年ゼミ生を連れて台湾研修に行くなんてことが書いてある。その感想が日本人と中国人留学生では、だいぶ違うというのも興味深いのだが、これは台湾側の受け入れサイドによってもかなり違う。90年に国民党は、在日中国人の招待を結構やってたのだが、かなり情緒的統一工作をして、台湾人に対する偏見を以って育てられた中国人を感激させていたりもした。今や中国人留学生も台湾を見下す時代になった様だが、これは台湾人にとっては悪い話ではなかろう。サーチナにとっては都合が悪いが。
★★