時計じかけのハリウッド映画  | 新書野郎

時計じかけのハリウッド映画 

時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書 30)時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書 30)
芦刈 いづみ 飯富 崇生

角川・エス・エス・コミュニケーションズ 2008-02
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この角川SSC新書ってのは、角川がこれといった大ヒットも特徴もないOneテーマを見限って作った新書かと思っていたのだが、角川SSCというのは、元々セゾン傘下のを買収した別会社だったらしい。エコノミークラス症候群の高原とか、団塊女子のかおる子さん(これは結構面白かった)に書かせるなど、 Oneテーマより企画力はありそう。その「企画力」繋がりというのは強引だけど、これはアメリカの映画学校の同級生(たぶん)の二人が、ハリウッド映画の脚本システムを解説したもの。この世界が非常にシステマチックで、法則に則った生産工場の如く脚本が作り出されていることは、よく知られている事実なのではあるが、その設計図を知れば、映画鑑賞は10倍楽しくなるかどうかは疑問。この世界も類まれに見る買い手市場だから、その世界を目指す者は「授業」が必要なのであろうが、「現場」にしても、「学校」にしても、「苦学」した人のホンが面白いと思ったことはあまりない。予定調和の美学というものもあるんだろうが、ハリウッドにしてみても、オリジナリティを重視しているらしい国で、ここまでシステム化されているのも、その「システム」自体が一つの産業として確立されているからではないかとも思う。デビッド・リンチの「フォーマット崩し」がピカソ同様、そのフォーマットを知り尽くした者の作戦であることは否定しないが、となると、やはり「文法」を無視して新しい芸術を創造することは不可能なのだろうか。