現代中国文化考

現代中国文化考
部数がどれだけ出てるのか知らんが、「隣人新書」もよく続くなあ。この著者は国際交流基金の人らしいのだが、杭州の大学で「日本文化」の講師などもしたみたいで、これは、その時に書いたという江沢民の「先進文化」論の考察と滞在記。まあこの版元から出るくらいだから当然なんだけど、江沢民大先生のお言葉をご紹介いたしますみたいなもの。杭州あたりでは、まだ江沢民の影響力が残っているのかもしらんが、かりにも元日本大使館員が、こんなおべっか使わなきゃならんのも情けない。来年還暦を迎える著者の初めての単著だそうだが、今さら「中国青年報」でもやらないような「中華文化愛国主義」のプロパガンダに加担しなくてもねえ。もっとも、日本人がそれをするから意味あるのか、ちゃんと中国語訳も付いている。仕事柄、相互主義で日本文化を中国でも広めてくださいってことなのかもしれないが、どうも、こういう国が絡む「文化」には違和感を覚える。ということで、滞在記の方も、当たり障りの無いもので、中国に批判的なのは「風呂がない」という箇所くらい。中国人が日本語の「風呂」を「シャワー」と捉えるのは普通なのだが、そんなくだらないことで、日本文化がどうのこうのとか立腹するなら、もっと違うところで怒ってくれとも思う。それで、滞在記の方の中国語訳が見送られた訳ではないだろうが、そんなこと書いたら、この版元からの「還暦デビュー」は適わなかったか。
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