中国雑話 中国的思想  | 新書野郎

中国雑話 中国的思想 




酒見 賢一
中国雑話中国的思想 (文春新書 596)

この酒見賢一という著者はよく知らんのだが、新田次郎文学賞とか中島敦記念賞とか日本ファンタジーノベル大賞とか、スゴイんだか何だかよく分からない賞をたくさん獲ってる小説家さんだそうだ。愛知大学卒ということが関係しているのかどうか分からないが、中国古典ものを得意としているらしく『墨攻』というのは何か聞いたことがある。ああアンディ・ラウが主演した映画か。なるほど、日本人が原作の中国古代を舞台にした作品が中国人によって映画化されるというのは、たしかに「事件」なのだろう。著者は「結局、日本人は中国のことを分かっていない」と中国人に言われることが一番辛いそうだが、そういうことを言う中国人が中国のことを分かっているかというと、そんな訳でもない。日本の「中国通」は現代中国に関心ある者と、古代中国にしか関心がない者と2種類いるのだが、後者の人たちは結構、中国人と共通認識がとれているのではないかとも思う。漢文の時代とは比べ物にならないが、『三国志』とか『西遊記』とかの話をしている限り安全圏であろう。中国人が日劇とかこっちが知らん話をしたがるのも、そうした共通認識を求めてのことなのかもしれない。これがNHKのテキストに採用されたのも、そうした事情も関係しているかとも思うのだが、劉備とか孫子、太極拳の話は中国と「歴史認識」を共有するつもりのない派の人間には、あまり興味が持てんな。最後の格闘技他流試合みたいな話だけは面白かったけど、キン肉マンってまさか、これがモデル?