イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ  | 新書野郎

イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ 




加藤 雅之
イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ (平凡社新書 399)

時事通信のジュネーブ特派員だった人の記者ものなんだけど、ジュネーブなのに、なぜイタリアかというと、時事はイタリアに支局がないから、ジュネーブでカバーしているからという理由。つまり、イタリア駐在ではなかった訳だが、外からの方がイタリアがよく見えるとのこと。と言いながら、なんか古典的なイタリア特殊論みたいな陳腐なものになっていて、こんなタイトルを付けていることからも分かるが、「朝日新聞記者が書いたアホ、マヌケ、アメリカ人」を彷彿させる記者ものとしては、かなりの低レベルではないかと思った。別に記者が一般人目線でも悪くはないのだが、そこに批評性や皮肉の一つでも交えないと、その見識を疑われてしまうというものだ。しかし、バチカンの聖職者が慇懃無礼だったというのは、前に読んだ朝日のローマ特派員の岩波新書と全く逆であって興味深い。これは語学力の差や、バチカンに記者席がある朝日と、ローマ支局すらない時事との力の差というものもあるだろうが、「日本人女性」と「東洋人野郎」の差ということが大きいとみた。まあ聖職者とはいえ、所詮はイタ公中心だし。しかし、著者がもはや西欧社会ではキリスト教の影響力は、ほとんどないとしている点の判定は微妙なところだ。最後のイタリア歌謡界紹介は安直な頁数埋めにも思えるが、イ・プーがまだ現役だったとは驚き。