下流同盟

三浦 展
下流同盟―格差社会とファスト風土 (朝日新書)
「下流」で一発当てたこの人は今も昔も上流階級のお方なのだけど、同じく「上流社会」を代表する朝日が、参入した新書界での下流脱出をかけて、この「下流屋」を指名した様だ。この「下流喰い」もこれで何冊目になるのか分からぬが、下流屋稼業も忙しいらしく、タイトルに名前を貸して、その多くを下請けに出している。本人はアメリカへ行ってウォールマートの田舎街見学記などを書いているのだが、後は自分の本を送って、好きなことを書けといったものだったらしい。そうなると「ファスト風土論」礼賛みたいなものばっかりになってしまうのも必然なのだが、太田市がポスト西川口と化していることのレポートなどは面白かった。まあ、いずれにしても、この執筆者たちが下流に転落することはまずなかろう。下流の生き血を吸って生きていることはグッドウィルの社長と変らないのだが、「下流同盟」などというのもふざけたタイトルだ。ウォルマートの批判をするにアメリカが嫌いな訳ではないとか、わざわざことわる必要もなかろうに。それにしても下流の代表を自認する者は、とっくに死んでる丸山眞男なんかより、この男をひっぱたかなくてはならないのではなかろうか。
★★