イタリア・マフィア  | 新書野郎

イタリア・マフィア 




シルヴィオ・ピエルサンティ, 朝田 今日子
イタリア・マフィア

この著者はイタリアもの新書を何冊か日本人女性と共著で出している人なのだが、今度はパートナーをより若い日本人女性に代えての登場。作曲科卒業というのも変わっているが、イタリアジャーナリスト国家試験合格というのも面白い。彼の地ではジャーナリストは国家資格なのだろうか。そんなイタリア男の面目躍如というか、これまでの軽チャー路線と打って変わって、「男たちの挽歌」イタリア・マフィアがテーマ。これが日本向けの書き下ろしなのかどうかは不明だが、読んで空恐ろしくなる様な話ばかりであることはたしか。日本のヤクザも世界では過剰に恐れられたりしているものだが、何がしらの関係はありそうだが、おそらく、日本を支配している闇社会は893とは別ものだ。山口組を恐れている香港人や台湾人は多いのだが、黒社会や黒道の構成員が人口の四分の一なんていう社会に比べれば、その筋と一般人の垣根が高いのが日本であろう。893と一回も接点を持たずに一生過ごすことも日本では可能ではなかろうか。その点はイタリアでも同じかもしれないが、映画の影響からか、イタリア・マフィアは世界のマフィアの元締めみたいなイメージがあって、この本はその「恐怖」を検証するのは十分であるとも言えよう。売春、賭け事といった市場には一切手を出さないというが、首相から検察から判事から、ありとあらゆる「敵」を皆殺しにしてしまう手法は、前近代的なマフィアの伝統を踏襲しているのだろう。伝統的に殺す「敵」は「裏切り者」であったことは間違いないのだが。
★★