奪われる日本  | 新書野郎

奪われる日本 



関岡 英之
奪われる日本

一時アマゾンが配本を拒否したなんてこともあって、前作はかなりな反響があったみたいだが、これは完全にその続編といった感じ。この「年次改革要望書」については、その中身を言われれば、たしかに憤懣するべきものなんだろうけど、果たしてそれほど単純に考えていいものかという気がしないでもない。「格差社会」がこれだけ話題となっているのも、国民がアメリカ型社会を是としない現れだと思うし、医療制度改革は別に国民皆保険を廃止させようとするものでもなかろう。国民が求めたのはあくまでも「悪平等」の廃止であって、何らかの改革が必要であると考えたからこそ、「小泉劇場」も成り立った訳で、アメリカが紙切れ一枚で外圧を成功させているとしたら、それはあまりにも「世論」を無視したものと言えるのではなかろうか。「談合」は日本的平等システムの産物だから死守すべきものだとするのは、いくらなんでも同意はできないし、郵政改革に反対した小林興起や平沼赳夫をアメリカに抗した愛国者として絶賛するのには、さすがについていけない。アメリカ云々も結構だが、「票」はあくまでも国内にあることを考えないと陰謀論の罠には陥ってしまうのではなかろうか。どうもこの人の本は小林よしのりらの「反米愛国」系の人たちに熱烈に受け入れられている様で、最後の方は「女系天皇」反対、万世一系は世界の奇跡といった感じで、本題とはかなりズレたりもしている。最後のこどもたちと天皇制という話には、ちょっと何だかといった感じもする。純粋な人なんだろう。そのうちジェンダーフリーがどうのこうのとか、性教育反対とか言い出して、反米愛国のつもりが統一協会の罠にハマってしまったなんてオチにならなければいいのだか。