アメリカに「NO」と言える国  | 新書野郎

アメリカに「NO」と言える国 



竹下 節子
アメリカに「NO」と言える国

アメリカを批判したいのか、フランスを礼賛したいのかよく分からん本。たぶん両方なんだと思うけど、どうも初めに結論ありきの違和感が残る。女性の「親仏」というのは必然らしいけど、フランスの新植民地主義がアメリカの新帝国主義に勝るとは、とてもじゃないが思えない。「反米」を自明のこととするのは「知識人」の常識なのかもしれないが、それがアメリカだから反対するでは、中韓の反日と大した違いはない。そこに蔑視と嫉妬が隠されていることは公にされることがないという点において、ヨーロッパがアメリカを見る目と、中韓が日本を見る目は一緒であろう。そうなるとフランス人と同じ視点で日本人がアメリカを見るということは有効なのかという疑問は残る。著者が批判したいのは「欧」と「米」の混同ということで、両者の差異と優越を見極める必要を説いている。たしかに、「古いヨーロッパ」の人たちはアメリカ人と一緒にされることには我慢がならないだろう。ただ「東洋対西洋」の座標軸同様、アメリカ対ヨーロッパの座標軸もまた、世界を二元化しているとは言えないのか。いずれにしてもフランスもアメリカも理想の国家とは、ほど遠いというのが実情である以上、他の安保理常任理事の糞国家どもも含めて、いたずらに両極化は行わないのが懸命である。