仁義なき英国タブロイド伝説 | 新書野郎

仁義なき英国タブロイド伝説

著者: 山本 浩
タイトル: 仁義なき英国タブロイド伝説
この本を読むと、イギリスの第四の権力はマスコミというよりタブロイド紙である事がよく分かる。例えばブレア政権誕生の影に、それまでの保守党支持を一転 させたマードック率いる「サン」が一役買ったことが紹介されている。そうなると後の対米追従、イラク侵攻への道は実はマードックのお膳立てではないかとの 疑念も生じるのである。
 伝統的な階級社会が今なお続く英国では、労働者階級を主な読者層とするタブロイド紙の影響力は時に実弾として、王室に も、政府にも、財界にも容赦なく襲いかかる。そこには何のタブーも存在しない。夕刊フジなどとは全く次元が違う世界だ。ヨーロッパでは無料新聞の進出や、 ネットの隆盛などで、高級紙の経営は厳しくなっている事が伝えられている。ル・モンドなどは身売りしてしまった。これからの厳しい生存競争を生き抜くの は、日々過酷なスクープ獲得競争と、互いに非難の応酬を繰り広げて「戦闘能力」を蓄えたタブロイド紙なのかもしれない。
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