中欧論 | 新書野郎

中欧論

著者: ジャック・ル リデー, Jacques Le Rider, 田口 晃, 板橋 拓己
タイトル: 中欧論―帝国からEUへ
難解な仏語翻訳新書としてお馴染みの文庫クセジュ。ヨーロッパ的教養がないと、なかなか読みこなせない。この著書もその例に漏れる事はないが、「中欧」概 念の誕生から、近代におけるこの地域に対するドイツのヘゲモニーまで、時系列に進んでいく教科書的展開で、なんとか理解が可能だった。冷戦期に中等教育を 受けた者としては、チェコスロバキアが東欧で、オーストリアが中欧といった政治地政学的概念が染み付いているのだが、西欧に属するとされるドイツが統一 後、東欧を飲みこんで、ドイツの影響力がヨーロッパの西、東、中と一気に広がった事に対する、フランス人である著者の警戒心が現れている様で興味深い。