友人のご主人が 四谷の住宅街を歩いていたところ
あるお宅の前でガレージセールを老婦人がしていたそうです。
ガレージセール つまりは 不用品を外に並べて
道行く人に 「どれでも持っていってください」 と声をかけていたそうです。
食器類など良いものばかりなのに 「お代はいりません」 とおっしゃっるそうです。
「もうすぐ老人ホームに入るから」 と・・・
「みんな いっぱい持っていってたそうなの。
主人は 『恥ずかしいから』 と言って ふたつだけ いただいてきたの。」
「そういう時に 恥ずかしいと思う人は、いい人ね。 素敵なご主人ね。」
と言うと 彼女は嬉しそうにしていました。
「 しかもね、会社の人に 『それいいね。ほしい。』 って言われて
ひとつあげちゃったから
グラスひとつしか残らなかったの。」
「え~~ なんて、いい人なの。 お坊ちゃん育ちなんでしょう?」
「そんなことないけど・・・」
私は この老婦人とご主人のお話を聞いて
とても胸の奥の深いところで 何かを感じました。
自分が愛してきた物を無償で見知らぬ人に配る老婦人
幸せな恵まれた人生を送られた方であると同時に
強く揺るがないものを持っている方なのでしょう。
そして それを 受け取らないわけでもなく
たくさん持ってきてしまうわけでもなく
たったひとつ手元に残した友人のご主人。
ふたりとも素敵だと思うのです。