6.卒業
傷ついて。。。
逃げるようにして井上の家を出た幸香の頭の中に高1の時と同じ悪夢がよみがえっていた。

井上に「土台がブス」と言われたことは、かなり傷ついていた。

『やっぱりブスは何の価値もないんだろうか。消えてなくなったほうが世の中のためなのだろうか。』そんなばかげた考えが幸香の頭の中を駆け巡った。

幸香は岩谷に会いたかった。岩谷の胸で思いっきり泣きたかった。

岩谷に髪を優しくなでてもらいたかった。

だけど、こんなこと岩谷には情けなくって言えないとも思った。

会わす顔もないと思った。本当に消えたいと思った。

そう思いながら、フラフラしているといつの間にか真っ暗になっていた。

闇は人の気持ちを益々暗くさせる。幸香はもう生きることなんかどうでもいいような気にさえなっていた。

「こんなところで何してるんだ?」誰かが言った。

振り向くと、山田がそこに居た。

幸香「嫌な事があって何だか生きるのが嫌に思えてきたの。」

山田「何かあったのか?」

幸香「何かあったけど言えない。」

そんなこと山田にいえるわけもない。

山田「そうか。何があったかはしらないけど生きるのが嫌とかいうなよ。命は大切だぜ。幸香が居なくなったら悲しむ人がいっぱいいるぜ。お前の親とか。俺だって幸香がいなくなったら悲しいし。」

その時幸香の頭に浮かんだのは岩谷の顔だった。

『幸香がいなくなったら、おじさん悲しむだろうな』
幸香はそう思った。

幸香「山田君。本当に幸香がいなくなったら山田君悲しい?幸香がいなくなったら本当はさっぱりするんじゃない?幸香みたいなブスは目障りなんでしょう?」

山田「幸香はブスなんかじゃねーし。幸香はかわいいし」

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