岩谷に申し訳なく思った。幸香の真面目な性格からして二股をかけるとかは無理だった。

幸香はこれを機に岩谷と別れることを決意した。報われない恋をズルズルと引きずっていてはお互いのためにならないと思った。

幸香は今日はっきりと岩谷に別れを告げようと心に決めた。

岩谷は何も知らないで何時ものように幸香と会うのを楽しみにやって来た。そしていつものように旅館の個室で昼食を食べた。

食事を食べ終わるころ、幸香は思い切って岩谷に別れを告げた。

幸香「哲之さん、お話があるの。」

岩谷「何?」

幸香「幸香と別れて欲しいの。」

突然の幸香の言葉を岩谷は良く理解できなかった。

岩谷「え?」

幸香「別れて欲しいの。幸香、自分と同世代の男の子と普通のお付き合いしたくなったの。」

岩谷はやっと幸香の言ってることを理解した。

岩谷「私の事が嫌いになったのかい?」

幸香「そうじゃない。今でも好き。でも。。。」

岩谷「でも?」

幸香「哲之さんと幸香は年が40歳も違うでしょ。いくら好きでも愛していても私たちは所詮結婚なんか出来ない。哲之さんのお子さんも幸香の両親だってきっと反対するわ。」

岩谷「二人が愛し合ってるなら、周りの事なんかほっておけばいいさ」

幸香「でも、幸香が35歳になったら哲之さんは75歳だよ。日本人の男子の平均寿命になっちゃうんだよ。哲之さんが75歳で死んじゃったら、そのあと幸香はどうやって生きていけばいいの?いくら愛し合っていたって、40歳という年の差はどうしょうもないのよ!」

岩谷は幸香が本気で別れたいと言っていることを理解した。



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