9.毒(ブス)
心まで毒(ブス)に。。。
結局岩谷と別れる事も出来ず、今井とも別れることも出来ず、ズルズル二股を続けることになった幸香であった。

それまでは、幸香は小デブで見かけがブスな時はあったが、心は純粋で綺麗な女の子だった。

でも今幸香は自分の心が汚れて汚くなっているのを実感した。

岩谷に今井の事を告白した。岩谷は今井と付き合って構わない。二股で構わないから別れないで欲しいと幸香に言った。

幸香「でも、哲之さんと会っているところを今井君や今井君の知り合いに見られたらどうすればいいの?」と幸香は岩谷に尋ねた。

岩谷「40も年が離れていることを逆に利用すればいいよ。親戚のおじさんとかなんとか言っておけばいい。」

確かにそう言えば誰も真面目な幸香がこんな年上と付き合っているなんて夢にも疑う人はいないだろう。

幸香「哲之さんは、それでもいいの?」

岩谷「それほどまでに今の私には幸香が必要なんだよ。」

岩谷は今経営する会社の事で悩みがあった。岩谷はまだ現役でバリバリやれる自信があった。しかし岩谷の息子たちは、岩谷に引退して会長になるように薦めていた。

岩谷「息子達に引退して余生を楽しめといわれたよ。
もうオヤジの考えは古い。今の時代に即さないってね。私はもうただの邪魔ものさ。でもね幸香。あの会社は私が裸一貫から立ち上げた会社なんだ。いわば私と運命共同体なんだよ。だから私はまだまだ引退しないよ。幸香が側に居てくれたら、私はいくらでも頑張れるよ」

幸香はそれほどまでに岩谷に必要とされることが嬉しくもあり、鬱陶しくもあった。男に二股でもいいから別れないでくれとお願いさせるとは、自分も随分と悪女になったものだと幸香は悲しく思った。

「今の私の心はドブスだ」と幸香は心底思った。

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