『許された子どもたち』
小学生の時にいじめにあっていた絆星(きら)。
中学にあがると、転じていじめる側に。いじめていた樹(いつき)が反抗的な態度だったことで殺してしまう。一度は犯行を自供する絆星だったが、息子はやっていないと信じたい母親に説得され否認に転じる。
「不処分(無罪)」となるが世間からのバッシングにあう。罪を犯したにも関わらず許されてしまった子どものその後の数年が描かれている。
以下ネタバレありの感想です。
誰一人知ってる役者さんがいなかったのですが、良かったです。
考えさせられる作品です。
「小学校時代にいじめにあってたからいじめられる子の気持ちが誰よりも分かるんです!」とは加害者絆星の母親の言葉。
でも、違ったよね。いじめられないためにいじめる側になったんだよね。
私は、
大人が悪いよなぁって思いました。
警察の脅しのような誘導の仕方も良くないし、
犯行グループ4人の弁護士も悪い。
少年の一人は真実を話したのに
無罪の方向に話を進めていきます。
この、真実を話した少年だけは反省し続けます。
当然ですが、絆星の犯行を信じたくない母親、
途中で逃げ出してしまった父親も悪い。
絆星が引っ越し先で名前を変えて通った学校にもいじめがあって
絆星のこともバレてつるし上げにあう。
この時もあまりに教師は無力でした。
ネットで叩かれたり、学校でのつるし上げも
“正義”という名目で行われますが
これだっていじめだよね。。。
だから、しっかり司法の場で裁かれるべきだった、
と思うと同時に
どんな状況でもダメな奴はダメだし、
反省する人は反省するって思ったり。。。
最後のシーン、
レストランに入り、赤ちゃん連れのママさんグループに微笑む
絆星と母親。
救いがないな…
と私は思ったのですが。。。
悪いことをしたのに、
その「罪と向き合うことを許されなかった子どもたち」
とも言えるかな。
大人でも子どもでも、間違うことはあって、
間違った後にその出来事にどう向き合うかで
生き方も変わってくると思っています。