快適に暮らそうと思うあまり、たいていの人が陥りやすい傾向として、ものを飾りすぎてしまうということがあります。
仕事柄、雑誌撮影のために素敵なお宅に取材に行くことが多いのですが、必ずすることといえば、家がよりきれいに見えるようにものを片づけること。
これはゴージャスな家とかモダンな家とか、お金のかかっている、かかっていないにはかあまり関係がなく、ほとんどの家でこの作業をします。
どのお宅もそうなのですが、雑貨屋さんや旅行なので見つけたちょっとした可愛いものたちが、かなりの幅をきかせて家の中を占領しています。
それぞれよく見るととても素敵なのですが、それが家の中にちりばめてあると、どうしても散漫な印象になり、せっかく厳選して選んである家具やインテリアが生きてこないのです。
だから、カメラをのぞきながらせっせと片づけ作業をします。実際、撮影の撮影時間よりも、片付け作業の方に時間がかかっている場合がほとんど。
その家の持っている本来の美しい姿にするまでにかなり労力がかかります。
聞いた話、NYの一流インテリアカメラマンは一つの家を撮影するのに丸2日はかけるとか。
部屋中のモノを片づけて、テーブルをピカピカに磨いて・・・というハウスクリーニングのような作業をしてから写真を撮るのだそうです。
さすがに不況の日本ではカメラマンさんをそこまでは拘束できないのですが、それでもかなり時間をかけて部屋中を整えます。
だから最終的に、撮影をするときは部屋中すっきり、きれい。
美しく整えられた空間に、取材先の人もあらためて住んでいる家のよさに気づくようで、「普段もこうありたいわよね」としみじみと語ってくれるときもあります。
住んでいると意外に気がつかないことが多いのですが、本来、自分の家の空間が持っている特性を最大限生かそうと考えながらインテリアを整えるのが一番正しい姿勢のような気がします。
ちょっと狭い部屋でもベージュの壁を生かして広く見せるとか、北向きの部屋だったら照明を工夫してアジアンテイストのしっとりとした空間にするとか・・・・。
そのためにも、部屋をごちゃつかせてしまう小物は極力抑えて、効果的なポイントとして活用しましょう。