鏡の法則というのをご存知でしょうか?

これは船井総合研究所の船井幸雄さんが20年程前からおっしゃっている言葉なのですが、人間には目の前にいる相手と同じような気持ちを、鏡を映すかのように、相手に返そうとするとする習性があるという法則です。

例えば、買い物をしているとき、お店の方に笑顔で対応してもらうと、なんだかこちらもショッピングが楽しくなります。

一方、その反対に忙しいからと不機嫌そうに対応されると、なんとなく嫌な気持ちになったりします。

これが鏡の法則。

無意識のうちに、私たちは相手の顔色を判断し、それによって自分の感情が左右され、決められてしまっているらしいのです。

ほめられたら、ほめ返したい。笑顔で対応されれば、笑顔を返したい・・・。

逆に、いじめられたらいじめ返したい、悪口をいわれたら、悪口をいいかえしたくなる・・・これが人間なのだそうです。

船井幸雄さんいわく、これは何も感情だけではなく、この世のすべての行為や考えが、鏡に写すかのように自分の周りに反映していていくのだともいいます。

良い方向に考えれば、良い環境を作り出すけれど、マイナス方向に考えれば、予期せぬカタチで自分の生活に悪影響が出る・・・そういうものだといいます。

だから、自分の目の前で起こることすべてが、自分自身の意識のあらわれ。

先日のブログでお話したように、私の心のモヤモヤが増えるほど、部屋が汚れてしまったように、普段、暮らしている空間は、鏡のように自分の気持ちが映し出されるのだといいます。

だとしたら、色々なストレスが渦巻く現代社会の中で生きる私たちは、こうしたことを敢えて、意識しながら毎日を過ごす、これが賢い生き方のような気がします。

部屋の散らかり具合は、自分の気持ちのバロメーターだと考え、ちょっと汚れてきたなあと思ったら、生活を振り返ってみる。

気づかないストレスがあるのではないかと、自分を確認してみる。

この作業をすることで、ストレスの種を小さいうちに処理することができ、部屋の汚れを取りさるのと一緒に、ストレスを振り払う・・・こうした作業が大切なのかもしれません。

こう考えると、昔から言われている「整理整頓しましょう」という言葉、これは単に、物理的に片づけることの大切さ以上の意味を含んでいるような気になってきます。

「整理整頓しましょう」ということは裏を返すと、「ストレスを溜めないバランスの良い暮らしをしましょう」ということ。

昔の人は、整理整頓をするというちょっとした行いが幸せを呼び込む・・・そんなことに気がついていたのかもしれません。