そいつが俺を呼んでいる。
ひとにはそういう時があります。
それがラーメンでも牛丼でも、仕事であれ恋人であれ菊池エリであれ、往々にしてそれでなくてはならない時にはそうしなければ、ポジションの悪いパンツの中のアレのようにいつまでも中途半端に収まりがつかないものです。
4月というのにいつまでも冬のように寒い日が続きましたが、適当な走行距離と妥当なラーメン店とついでの用事を時間内にこなせるような組み合わせを考えて、りんごとガレージを出発しました。
りんごとはブラッキーに変えてつけた1200Rの愛称です。キャンディアップルレッドのタンクがそのままリンゴみたいに見えるからです。
目指したのは西宮市にある神戸中華そば「もっこす」
大倉山店と同じなような違うような。
タイミング悪く店の前を行き来する緑のお二人や、「コンビニに入った10分間にやられた」というような恐ろしい盗難エピソードに怯えつつ店の前に停車したので、注文を済ませてからも気が気でなく、小学生の給食のようなバカっ早で、飲むようにラーメンをすすり丼をカラにしてさっさとお勘定を済ませて出ました。
関西で生まれて育っていながら何ですが、こういう場合やっぱり関西は恐い。
ライダーは走っていなくても自分で自分を守らなくてはいけません。気が小さいというか猜疑心の塊というか。
それでもバイクが俺を呼んでいる。
恐怖と快楽を秤にかけて日々を走っています。