妊娠は奇跡ではない。

正常な妊娠の仕組みを知れば知るほど、普通のことだと思うようになった。

卵子を育て、成熟させ、排卵する。同時に子宮の準備も整える。排卵したところに精子がいれば受精卵となり、受精卵がおりてくるタイミングで子宮は『窓を開けて』待つ。自分の体だからすべてが連動して行われている。

奇跡ではなく、有胎盤類が何億年もかけて、獲得した仕組みを繰り返し行っているに過ぎない。

私の回りには、40代で結婚、自然妊娠して、出産した女性が二人もいる。機能が正常なら40代でも妊娠、出産できるのだ。私たち夫婦は正常ではない。私は排卵障害、主人の精子は泳がない。39歳になるまで調べなかった。でも他に異常はない。受精さえできれば妊娠するはずだ。

私は医者ではないから、個人の感覚に過ぎないけれど、最初の二回の移植(ホルモン補充周期)のときに感じていた。『今日移植しても私の体は受精卵を受け入れる準備が出来ていない』。普段なら排卵後(排卵していなくても基礎体温や月経は正常だった)は、体がぽかぽかして胸が痛くてニキビできるのに、そうなっていなかったから。ホルモンを補充しても、いつものような体の変化が感じられない。

実際、最初の二回の移植は着床しなかった。しかし三回目は違っていた。同じ方法だったが、たまたま体のタイミングに合わせて移植することができた。そして初めて妊娠し、確信した。やっぱり、ずれてたんだ。

そして先月、移植に再チャレンジするにあたり、ずっと感じていた感覚をドクターに話し相談した。
そしてホルモン補充周期をやめ、自然周期で採卵し、新鮮胚を二段階移植(初期胚1、胚盤胞1)したら、一回で妊娠した。

この移植当日にも思っていた。体がぽかぽかしているし、胸も張っている。私の体は受精卵に対して『窓を開いている』。感覚は正しかった。妊娠判定は陽性だった。今は受精卵の力を信じながら、食事と生活習慣に気をつけて、成長を待っている。

もちろん、ホルモン補充が合っていて、体にサインが届く方もいるだろう。これは私の場合にすぎないけど、人も動物だし自然の一部。自分の、生物としての勘を信じてよかった。