10月に入り、11月15日の七五三も近くなりました。
当日は平日という事もあり、それより早めの週末にお祝いされる方も多くいらっしゃることでしょうから、今日は神道の習俗としての性格を持つ日本の人生儀礼について書きたいと思います。
着帯の祝い・帯祝い
懐妊5か月目の戌の日に岩田帯というお祓いをしたさらし木綿の腹帯を巻く。
腹帯をするのは胎児の位置を安定させる為とも、その霊魂を安定させるためともいう。戌の日なのは犬が安産なのにあやかっての事と言われている。
お七夜
生後7日目 名前を披露し生まれた子の名を半紙に書いて神棚に垂らす慣例。家族や親せきで祝い膳を囲む。新しい家族が加わったことを神に報告し、その加護を祈る行事である。
初宮詣で(初宮参り・お宮参り・産土詣り)
誕生後、初めて氏神様にお参りすること。誕生させていただいたことへの感謝と今後の成長を願って男子は31日目、女子は33日目(32日目という説もあり)に地元の氏神神社にお参りし、祝詞を奏上して頂き、生まれた赤ちゃんが初めて氏子入りをする。
地方によっては早い所で生後7日目、遅い所で100日を過ぎる所もある。
お食い初め
これも神社にお参りするのではなく、ご家庭で生後100~120日目一汁三菜の祝い膳を用意し、邪気を祓うとされる白木の柳の箸で子供に初めて飯を食べる真似をさせる。「子供が一生食べる事に困らぬように」との願いが込められた儀礼。
初節句
女子3月3日、男子5月5日 親類などを招いて生後の初節句をお祝い。母方の祖父母から鎧兜や鯉のぼり、ひな人形などが贈られる。これらは子供が無事に成長するようにと願いが込められた縁起物である。
1歳の誕生日祝い
地域によって風習も違いがあるが、1歳の誕生日に餅をついて1升もちを背負わせる格好をさせるとか(もちろん親がお餅は後ろでささえ持ってる)、そろばんだの大工道具のカンナだの色々な道具を出して子供に選ばせ、興味を持った物から将来の職業を占う風習もあった。
七五三
ご存じ、3歳、5歳、7歳のお祝い。
一般に男子は3歳と5歳、女子は3歳と7歳だが、男子は5歳のみとか、時代や地域によって違うこともある。
11月15日に晴着をまとって氏神様に参詣して、これまでの成長を感謝し、今後の無事を祈願する。
11月15日の日取りについては5代将軍徳川綱吉の子の髪置き(三歳で髪を伸ばし始める)祝いが行われたことを前例としているとも言われている。
昔は乳幼児の死亡率も高かったので、七歳までは神のうち、神の子とされ、それ以降は村の一員として正式に氏子の一員になると考えられ、その為、初宮参りでなく7歳のお宮参りで氏子として認めてもらう場合もある。
十三詣り
数え年13で行う。
成人式
今時は18歳で成人して氏神神社にお参りする人は少ないかもしれないが、
これも20歳になった者達が主に氏神神社にお参りして成人した事を報告し感謝していた時代もあった。
現在の自治体による成人式は、終戦直後に埼玉県蕨市で催された「青年祭」がルーツとされる。
神前結婚式
神職が立ち合い厳かな雰囲気の中で行われる神前結婚式は、明治時代、当時の皇太子(のちの大正天皇)の結婚式に倣って日比谷大神宮(今の東京大神宮)で行われたものが全国に普及したとされる。
それまでは「祝言(しゅうげん)」と言って、家庭において親族や知人、地元の有力者などを招いて行うのが一般的だった。
厄年
かつては「役年」といい、村の中で「神役」という神に仕える重要な役を与えられた年齢だったという説もあります。それゆえ神事で重要な役を担うには身を慎まなければならないと考えられていたとも言われている。
男性は数え年で25、42、61歳。
女性は19、33、37、61歳で、それぞれ前後の年を前厄、後厄と呼ぶ。
神社仏閣で厄払い、厄除けなどと呼ばれるお祓いや護摩祈祷などを受けてお札・お守りなどを授与して頂いたりする。
長寿祝い
長寿を祝う風習は中国から伝わり、江戸時代には庶民の間に広まった。
当人の長寿を祝うだけでなく周囲の人々が長寿の運を分けてもらう意味もある。
還暦=61歳 干支が60年で一回りするため。
古希=70歳 杜甫の詩の「人生七十、古来稀なり」より。
喜寿=77歳 喜は㐂という略字で七十七
傘寿=80歳 傘の略字は、変換できないけど八に十と書くから
米寿=88歳 米の字が八十八と分解できるから
卒寿=90歳 卒の略字が九十だから 卆
白寿=99歳 百から一引いて白になるから
神葬祭
神道式のお葬式。
神の世界に再び帰るとされる。帰幽(きゆう)と言う。
故人を祀り子孫を見守る守護神となってもらう儀式。
現在では神道墓地をもつ神社もある。
家庭では御霊舎(みたまや)又は祖霊舎(それいしゃ)とも言う、仏式での仏壇にあたる所を設える。
その他、入園・入学・卒業・就職など
古来、神社で行われるのが一般的だった人生儀礼は特に氏神様に詣でることが多い。
これまでの無事を神に感謝し、今後の安寧を祈った。
そして節目を越えたことを神様に認めてもらう意味もあった。
余談ですが
私は30年ほど前に懐妊して氏神神社は普段無人のようで腹帯も授与してなかったので、安産祈願で有名な東京の水天宮で腹帯を授与していただき、産院で助産婦さんが文字入れしてくれて巻いてもらったのですが、事前に洗濯しておかなくて糊の成分がきつかったらしくておなかの皮膚がかぶれてしまいました。
おまけに逆子が直らなくて帝王切開になってしまって。
あとで考えると、うちは源氏の血筋らしくて、滅ぼした安徳天皇の祀られる神社は良くなかったのかなぁと思いました。
氏神様が授与所が無いとか腹帯が無ければ無いで、もう少しご縁のある大きな神社にお参りすべきだったのかもしれません。
それから、お宮参りの日時はあまり厳密に何日目と決めつけなくても良いと思います。
医療の発達した現代でも赤ちゃんが生まれてすぐ保育器に入れられて危ない状態だったり、お母さんの産後の状態が思わしくない事だってありますから。
ちなみに私自身は母に聞いたところ初宮参りはしてないみたいです。
私が生まれた時には既に祖父母も4人中3人他界していて、母方の祖父母はいなかったので、伯父伯母の家で産前産後の面倒を見てもらっていて、自宅に戻ってからは、平日はほぼ一人でまだ幼かった兄も育てていたので出来なかったと。
そんな訳で七五三の三歳の時が私の初宮参りだったかもしれません。