宗教の役割

 宗教は、生物の誕生や死、自然の脅威や宇宙、人生上の思わぬ不幸や幸せなど、目に見えない神秘的なものの不思議な力を感じ、それを「神」や「霊」と呼んで畏れ、崇める文化を人々が発展させてきたものと考えます。

 

そして宗教の役割は、信仰することで人々を救済することにありました。

それは大きく3つに分けられます。

 

 

 奇跡

神・仏・霊たちは、人々の祈り(願い)を叶える奇跡を起こし救いをもたらしてくれるといいます。

 

人々は願いを聞き入れてもらう為に、呪術を行いました。

祈り、護摩行、お祭りの儀式を行ったり、神仏の霊力をこめたと言われる御札を家に祀ったり、お守りを身に着けたりするのも呪術のうちです。

 

 

 秩序(法律)

同じ宗教を信じる者同士は仲間意識が高まり、集団で暮らして教団を立ち上げました。

宗教を通じて仲間を増やすというのは社会的な救いといえます。

そして仲間うちでルールをつくり、まだ王や政治家がいなかった時代は宗教家が人々を導く指導者となることもありました。

法律が無かった時代、宗教の教えは守るべき生活のルール、秩序をもたらしました。

 

現代においてもサウジアラビア・イランなどの国では今でも政教一致しており、

その宗教イスラム教の経典クルアーン(コーラン)が憲法という国もあります。

 

 

 

 説明

世界はどのように作られたのか?どうして自然災害に遭うのか?死後の世界はどうなっているのか?病気はなぜかかったのか?なぜこんな不幸な目に遭わなくてはならなかったのか?

 

科学が未発達だった時代には、人々の自然への問いかけには神話や宗教が答えました。

逆に言えば、神話や宗教は人々が納得するような答えを用意しました。

これを神学と言います。

 

しかし、信じたところで神様が救って下さらなかった、奇跡も起こらなかったことは沢山あったでしょう。

そんな時、宗教ではそれを「神様からの試練」と言い換えたりします。

 

宗教ではいい事も悪い事も神などの究極の存在が決めているということになっているわけです。

 

【参考書籍】