当ブログでも黄泉の国については何度も書いてきたので、話が繰り返す部分もありますが、黄泉の国思想から見られる昔の日本民族の習俗や死後の世界観、江戸時代の国学者らの解釈や地上の該当場所などについて、これから何回かに分けて、まとめておきたいと思います。

 

黄泉の国とは

 

日本民族の他界イメージのひとつである黄泉(よみ)の国。

予美国・夜見国・黄泉とも書く、死後に赴く世界、死者の国のこと。

一般に「陰闇醜汚」の境界と捉えられている。

神産巣日神や須佐之男命の伝承とも関連して出雲地方と見る考えが古くからあり、黄泉平坂が現代でも島根県松江市にあって主張している。

また上古から大国主命を幽冥界主宰の神と仰ぐ信仰が成立していた。

 

よもつへぐいと禊祓ー火の穢れを忌む習俗の起こりー

古事記の神生みの段で伊邪那美命(いざなみのみこと)が火の神を産んだ際に身を焼かれ、黄泉の国に去られた。

夫である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)は、嘆き悲しんで後を追い、連れ戻そうとされたが、伊邪那美命は既に「よもつへぐい」と言って、黄泉の火で調理したものをたべてしまったから、上表(うわべ)の国に還れないと言って再会を断られた。

 

※黄泉の国でどんな会話が交わされ、どうやって追手から逃げ、何を投げて脱出したか?岩でふさいだ後の事などの話は複数あって、日本書紀には、そこでしか登場しない菊理媛神や泉守道者も記されています。

 

で、黄泉の国から戻られた伊邪那岐命は、「いなしこめ、しこめき、きたなき」国に往ったと河海の水での禊祓(みそぎ)をされたと伝わる。

 

この語り事から、火の穢れを忌む(火を慎む)習俗が起こったと考えられた。

炎 

その後、江戸時代の国学者・平田篤胤の現代訳本を読んでいたら、

「火」って、どうやら昔は血、経血、月経の事も火を使った言葉で言ったらしいんです。

だから私は、もしかしたら伊邪那美命が産後の悪露(おろ・ひと月位、個人差があるが一定期間続く出血)がなかなか終わらないとか、出産時に出血多量とか何らかの危険な状態になって亡くなられてしまったんではないかと思いました。

神話というのは、何かの隠喩という事がよくありますからね。

国生みにしても、島、国土を次々と生んだというのは、つまり各地を開墾して行ったということだと私は解釈しています。

泉が地中にあり黄泉という

 

黄泉の字は、ヨミの国の思想に類似している漢籍からとられた。

『春秋』の代表的な注釈書『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』の

「泉が地中にあり黄泉という」という一説である。

 

…と、ここで地中にあるのが何で黄色?についての私の見解は、五行説の分類で「土」は黄色に分けられているところからきていると考えました。

しかし最近私は、現代科学で解明された、この地球の成り立ちから環境変化による生命の誕生と遺伝子の複雑化での進化や人類や地球自体の消滅の未来予測までの「全地球史アトラス」という動画を観たら、確かに地球内部は黄色い泉のようなもんだと思いました。温度を抜きにして。