他の宗教の死後の世界観
それでは他の国々の宗教では死後の世界をどう考えていたのでしょうか?
世界には沢山の信仰があるので、主な宗教だけですが、ちょっと紹介したいと思います。
死者の国がある
神道 まず、日本の神道には黄泉の国、根の堅州国などの死者が集まる死者の国があります。
ギリシャ神話 冥界の神ハデスが司る冥界があります。
冥界には3つの首を持つ番犬ケルベロスなどの怪物もいます。
悪い魂は冥界の奥にある世界タルタロスに閉じ込められます。
ローマ神話 冥界を司るハデスがプルートー(プルート)という名になる。冥王星のこと。
逆に宗教の中には、こうした死後の国が無い、語らないところもあります。
死者の国は無い・死後を語らない宗教
ユダヤ教 人は死後、塵となると考える。
人類の滅亡や世界の終わりを説く終末論を語ることはあります。
儒教 死者の魂は、どこへ行くでもなく、あたりをさまよっていると説く。いつでも呼べる。
道教 それより不老不死を目指しています。
終末論に救世主 末法に弥勒菩薩
ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教では人類の滅亡、世界の終わりを説く「終末論」があり、そんな終末から人々を救い出し楽園に導くのが救世主(メシア・キリスト)と呼ばれています。キリスト教はイエスを救世主キリストと信じる宗教です。
仏教では終末的な、釈迦の説いた正しい教えが衰え、人の世も最悪になる「末法(まっぽう)」思想がありました。
日本でも末法思想は平安末期から鎌倉時代の新仏教・仏家神道に関わっていますが、お釈迦様の次に悟りを開いて世界を救うのが弥勒菩薩(みろくぼさつ)です。
最後の審判がある
ゾロアスター教
神聖で偉大なる火の光明神と敵対する暗黒神の抗争の末、救世主が現れて最後の審判が下され光明神が勝つとか。
火を崇拝するゾロアスター教では、遺体についている悪魔が神聖な火に混ざらないように遺体は鳥に食べさせました。
しかし死後の世界観は不明。二元論で白黒はっきりつけるから、死後の世界なんて未練たらしいことは考えなかったかもしれない。
キリスト教
死者の魂は、世界の終わり(終末)に復活。
神によって審判(裁き)が行われ、
神を信じる者は天国へ、そうでない者は地獄に落とされます。
カトリックにはこれに煉獄が加わります。
イスラーム教
キリスト教と同じく、死者の魂は終末に復活し神の裁きを受けます。
神を信じる者は楽園へ、そうでない者は火獄へ落されます。
そうした信仰があるので、ご遺体は、絶対、土葬でないと復活ができないから、火葬はいけないという宗教の人もいるんですね。
生まれ変わりがある
ヒンドゥー教
死後、人は魂になって転生を繰り返します。(輪廻転生)
善いカルマ(行い)を蓄積すると来世は良い人生に、
悪いカルマばかりだと来世は悪い人生になります。
修行してこの輪廻転生から解脱(げだつ)するのを目指します。
転生するのでご遺体は火葬して構いません。
仏教
こちらも死後、魂は転生を繰り返し、前世の行いによって六道(りくどう)のいずれかに振り分けられます。
階層が高い方から
天・人間・修羅(しゅら)・畜生(ちくしょう)・餓鬼(がき)・地獄となっており、宗派によって、修行をすれば解脱・成仏したり、念仏を唱えることなどで浄土に行けたりします。
六道はそれぞれどんなところか?についてはこちらの記事を参照
古代エジプト 来世とミイラ
古代エジプトでは、来世の存在が信じられていましたが、
先ほどの輪廻転生の宗教のように、魂が新しく生まれた肉体に宿るのではなく、来世でも元のご遺体が必要と考えられたので、ご遺体をミイラにして保存しました。
以上、参考書籍
その他、WEB上の情報、以前読んだ本など。