吉田神道【3】

 

  吉田兼倶の主張

 

神本仏迹説(しんほんぶつじゃくせつ)

 

 この説は鎌倉時代からすでに出て来ていましたが、

「神こそが仏の真の姿であり、仏は神の仮の姿である」とする説です。

それをさらに兼倶は「神道」を万物の根源と定義し、他の諸教も神道に包摂されると説きました。

 

 

根本枝葉果(花)実説(こんぽんしようかじっせつ)

日本は種子を生じる所で、中国では枝葉が現れ、インドでは花が開いて実を結ぶ所だとするものです。

従って、インドで生まれた仏教は万法の果実であり、中国で生まれた儒教は枝葉で、神道こそが万法の根本だと説いたのです。

仏教が日本で広まるのは、その根本である日本に帰ることだと理解されています。

三教枝葉果実説とも呼ばれます。

 

 

  三教一致思想の影響

これは当時、禅僧によって中国から入ってきていた「仏教・儒教・道教の三教は究極的に一致する」という三教一致思想の影響を受けているといわれています。

日本に入って来ると諸教一致的な神道説と融合して室町時代中期から後期にかけて「仏教・儒教・神道」の日本的な三教一致思想が出来上がっていきました。