山幸彦と海幸彦 海宮遊幸章 第十段 本文《1》 | 心の鏡

心の鏡

天の霊妙不可思議な法則、神道について書いているブログ。心の鏡とは内在神を表し、神社のおみくじの神の教に「神様の御光が我が心の鏡に映るその時、凡ての心の曇り、心の闇は晴れゆきて、広き明き御恵みを授かる事が叶う」とあったところから命名しました。

この神話は、南方の海洋民族にも似たような話がいくつもあって、

南方系の習俗を色濃く伝えていると言われています。

そんな訳でブログデザインも海の仲間たちにしてみました。 

また話が長いので何回かに分けて書いていこうと思います。それでは始めます。

 

山幸彦と海幸彦 海宮遊幸(かいぐうゆうこう)章 第十段 本文《1》

 

天照大神の孫である

瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と木花之開耶姫(このはなのさくやひめ)またの名を鹿葦津姫(かしつひめ)/神吾田津姫ともいう)の間に3人の御子が生まれ育ちました。

 

火すそ降命(ほのすそりののみこと)/隼人らの祖

彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)/神武天皇の祖父

火明命(ほのあかりのみこと)/尾張の連(むらじ)らの祖

 

兄の火のすそ降命は、元々漁に関する不思議な性能、海幸(うみさち)を持っておられ、

弟の彦火火出見尊は、元々山幸(やまさち)を持っておられました。

初め兄弟二人は語り合わられて

「試しに幸を取り替えてみよう」とおっしゃって、これを交換されましたが、

どちらも獲物がありませんでした。

 

兄神は悔やんで弟神の弓矢を返し、自分の釣り針を求められました。

しかし弟神は兄神の釣り針を失っていて探し出すすべもありませんでした。

そこで、新しい釣り針を作って兄神に渡されましたが、兄神は承知せず、

「元の釣り針を返せ!」と責めました。

 

弟神は憂えて、自分の刀から新しい釣り針を作り山盛りにして渡しましたが

兄神は怒って

「私のもとの釣り針でなければ、どんなに多くても受け取らない!」と言って

益々激しく責められました。

 

そこで弟神は深く憂えて海辺をさまよっておられたところ、

塩土翁(しおつちのおじ)と出会われました。

(つづく)